大艦巨砲主義復活の日

1943年 ブーゲンビル島ブイン上空

「長官殿。まもなく前線に到着します。降りる準備を」

操縦士の言葉に礼を述べる長官と呼ばれた男。機体は徐々に高度を下げている。

「前方に積乱雲。回避します」

無線封止中のため発光信号で僚機に伝える通信士。数秒後には操縦桿を右に傾ける。

「なんだ?操縦桿が・・・」

何度も右に傾ける操縦士。しかし機体は傾くどころか真っ直ぐ加速し始めた

「どういうことだ!?発動機が勝手に!」

その時。長官と呼ばれた男は何者かの声を聞いていた。その声は「我が声に耳を傾けよ。お前はまだ死ぬべきではない」と告げている

「後方に敵機!P38です!」

「クソ、こんな時に!」

回避しようと操縦桿を左右に振るがやはり機体は直進を続ける。

一方。後方のP38機内では

「捉えたぞ。回避すらしないとは。いい的だ」

米軍兵がもらったとばかりにガッツポーズし引き金を押す。放たれる機銃。しかしー

「なんだ?当たった様子がない・・・見えない装甲だと!?」

得体の知れない何かに弾が弾かれている様子だった。その何かに当たったとおもわれる位置に五角形の波紋が広がる。

「Fuck!まさか魔術の類か!?」

驚く米軍兵を尻目に一式陸戦は更に加速。プロペラ機では到底あり得ない速度だ。まるでナチスの新型メッサーシュミットのような加速力である

「なんということだ。発動機の限界を超えている。・・・あれは?」

驚異的な加速に驚くまもなく前方の積乱雲にトンネルのようなものが現れた。その時声が長官と呼ばれた男以外にも響く

「オオクニヌシが告げる。まだ死ぬな。」

彼らはその瞬間に意識を失った。

キャラシート

0コメント

  • 1000 / 1000